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Vol.11「今夜のご注文はどっち!?アビレックスvsエアロレザー/B-3」

寒い冬はコイツにかぎる?

2002年もすでに1ヶ月が過ぎ、まさに冬本番。
ただでさえ寒いのに日経平均株価は1万円を割るわ、どんどん円安になるわで日本経済も厳冬真っ只中。おかげで拙者の懐にもブリザードが吹き荒れております。おお、寒ぅぅぅ〜。こんな身も心も寒い寒い冬はコタツにみかんに鍋に、そう、B-3だーーーっ。
と、ちと強引でしたが今回のお題はA-2と並ぶフライトジャケットの雄、B-3です。

そうそう、月刊タフジャケのvol.7でも触れましたが、いや〜昔はバブリましたねー、B-3。若い方はご存知ないかもしれませんが、80年代にはホスト系ニイチャンや、軽そうなナンパ学生チャンのマストアイテムだったんですよ、コイツぁ。それが最近はめっきり見なくなりました。流行り廃りと言われりゃそれまでなんですが・・・。拙者は好きなんですけどね、シープスキンジャケットって。

前述の通り、80年代に一世を風靡したB-3ですが、当サイトメニューの「ブランド&モデル解説」にある通り、1934年に米国陸軍航空隊に正式採用された冬季・寒冷地気候用フライトジャケットでありまして、今で言うところのヘビーゾーン(-30℃〜-10℃)に対応しています。当時のフライトジャケットに最も要求された機能はなんと言っても耐寒性・防寒性でして、そのニーズを満たすベストな天然素材が羊毛(ウール)でした。なんせ羊毛(ウール)はコットンに比べてはるかに熱を逃がしにくくて暖かく、尚且つ発火温度も高い(コットンの300度弱に比べて、ウールは600度前後)という優れた特徴を持ってますので。
それに羊は養殖できるので羊毛の調達コストも妥当だと当時は考えられてたようです。(実際は、第二次大戦に突入すると羊毛調達が間に合わなくなり、コットンへの変更が急遽模索されることになるのですが)

そんなこんなの理由から羊皮を丸々ベロッと裏返して作られたB-3ですが、初期のものは外側にあたる革に何の処理もせず作られていたためにジャケットのボディカラーは白っぽく、おまけに雨や汚れが付着することでシミや劣化を招きやすいという問題を抱えていたようです。それが、1939年にデュポン社がポリアクリレイトなる水溶性の樹脂顔料を下塗りし、その上からラッカーを吹き付けるというコーティング法を開発したことで問題を解決、現在私たちがよく目にする茶色のB-3を誕生させることになりました。

1940年代に入り、爆撃機の機体が与圧・温度調節機構を持つようになると、B-3は姿を消すことになります。このB-3以降、冬季・寒冷地気候用フライトジャケットはインターミディエイトゾーン(-10℃〜10℃)用とヘビーゾーン(-30℃〜-10℃)用に分化し、発展していくことになるわけで、B-3はフラジャケ進化の分岐点にあたるフライトジャケットとも言えるでしょう。

色んなメーカーが作ってます→よし、比べちゃお!

フライトジャケットはその素材からレザー系とナイロン系に大別されますが、B-3は、A-2やG-1と並んでレザー系フラジャケの代表モデルであるのは、皆さまご存知の通り。その人気を反映してか多くのメーカーがB-3を作ってます。
本場アメリカではアビレックスにショット、英国ではエアロレザーにイーストマン、国内ではザ・リアルマッコイズに東洋エンタープライズ(バズリクソンズ)といったところが代表的なメーカーでしょうか。A-2同様これだけメーカーがありゃ、B-3を「よ〜しっ、買ってみようかな」なんて考えてる人も迷うよなぁ〜てなもんです。

「よし、それなら比べちゃえ」ってことで、今回はメーカーによるB-3比較を決行!
比較するB-3は、何と言っても80年代のブームの立役者である米国アビレックスのモノと、ヘビーなホースハイドとキムタク人気で一気に日本に定着した英国エアロレザーのモノです。
AVIREXのB-3
オリジナルとは違う点もあるが、シンプル且つ機能的だ。
AEROLEATHERのB-3
フルレプリカともいえる出来映えで、高級感もある。

まずは米国アヴィレックス

メーカーであるアビレックスについては、月刊タフジャケvol.7にて紹介してますので、そちらをご参考にしていただいてと。
まずは米国アビレックスのB-3についてですが、その特徴はオリジナルのB-3を忠実に再現していない、つまり、フルレプリカではないという点でしょうか。勿論アビレックスのB-3もオリジナルも羊皮を丸々ベロッと裏返して使ってる点はオリジナルと同様で、故に全体的なシルエットなどは似たようなものなんです。しかし、ディテールとなるとかなりの違いが見られるんです、これが。

大きな違いは、
オリジナルのB-3には爆撃機の機銃使用時に確実に擦れてしまう袖を保護するために、上腕部から肘にかけてホースハイド(馬革)のカバー(プロテクター)が付いていますが、アビレックスのB-3にはそれがありません。まぁ、今となっちゃB-3を着て機銃を握る奴ぁ皆無といっていいでしょうから、無いと困るってもんでもありませんが・・・。ただこのホースハイドのカバーがついてる方が高級感があると感じるのは拙者だけ?
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オリジナルとは違いボディの左右にあるハンドポケット。実用的だ。
次にオリジナルのB-3にはボディの右側にとってつけたようなちっちゃなポケットがひとつしかありませんが、アビレックスのB-3にはハンドポケットが2つついてます。オリジナルのカッコよさも分かるんですが実用性で言ゃぁアビレックスの勝ち・・・ですかね。

あと、細かい点では、アビレックスのB-3は裾を絞るためのストラップベルトが前から後ろに引くタイプであること、背中が4枚はぎ(4枚のパーツを縫い合わせてある)であることなどがオリジナルと似て非なるところ。

ストラップベルトについては、オリジナルでも初期のモノは前から後ろに引くタイプでして、後に使いやすさを考慮して後ろから前に引くタイプに改定されています。このあたりはしょっちゅう調節するものでもないので、正直言ってどっちでもモーマンタイです。
(拙者のアビレックスB-3は20年近く前のブツで現行のアビレックスのモノは後ろから前に引くタイプになっています。)

また、背中の仕立てについては、オリジナルでは2枚はぎ(2枚のパーツの縫い合わせ)、3枚はぎ(3枚のパーツの縫い合わせ)のモノが多いようですが、まれに4枚はぎのモノもあったようです。これは戦争による羊毛の需要の急拡大で、羊の成長を待って羊皮を取るなんて悠長なことをやってられなくなり、子羊からも皮を取るようになったことによります。当然取れる皮もちっちゃいんで、ちっこい革パーツを縫い合わせて一着にするようになったんですね。このあたりも、何枚はぎであっても実用上、また着心地の点でもモーマンタイなんで、あとはバックスタイル・外観の好き好きですね。
4枚はぎのバックパネル。 前から後ろに引く裾のストラップ。
最近のモノはオリジナル同様後ろから前に引くタイプになっている。
ジッパーはSCOVILL社製。
以上、アビレックスのB-3について、その特徴なりを書いてみたんですが、そういやショットも全く同じ特徴というか、仕様になってるのが面白いですね。今となっちゃ不要なパーツなんて付けずに、実用的なポケットを増やすなんて、なんとも合理的なアメリカ人らしい作りです。

こっちはどうだ、エアロレザー

こちらも、メーカー概要については、vol.8をご参考にしていただいてと。
アビレックスとは違い、エアロレザーのB-3の特徴はオリジナルに忠実な作りになっている点です。
袖部分のホースハイド(馬革)のカバー(プロテクター)は勿論、フロントのポケットの付け方もオリジナルと同様です。裾を絞るためのストラップベルトも後ろから前に引くタイプで、背中に仕立てについては、2枚はぎになってます。
どちらかというとアクリル・ラッカーコーティングが始まって以降の初期モデルってところでしょうか。
(写真のエアロレザーB-3は製造ライン変更前のクリアランスセールモデルであり、袖部分のカバーが通常モデルのホースハイドと違い、ステアハイドになっています。)

細かい点に目をやると、やっぱエアロレザーのB-3の衿はオリジナル同様かなりデカく、アビレックスのB-3と比べてもその大きさが目立ちます。また、その衿をボディに固定するボタンが付いていたり、首の後ろ(ラベル上部)にネックチェーンが付いているのもエアロレザーのB-3の特徴です。
パネル
初期のB-3同様、2枚はぎのバック。 後ろから前に引くタイプの裾のストラップ。 衿をボディに固定するボタン。 ラベル上部のネックチェーン。
あと内側の羊毛(ウール)ですが、エアロレザーのB-3は黄色が強くて毛先がかなり丸まっています。このあたりは比較的色が薄くて、毛先が直毛であるアビレックスとかなり対照的。特に毛先に関しては、直毛への処理を省いてる??戦うジャケットであるオリジナルは、当然高級衣料のような丁寧な羊毛(ウール)の処理はしてなかったでしょうが・・・若干雑な仕上げに感じてしまうのは拙者だけ?。

と、まぁエアロレザーのB-3について、その特徴を書きましたが、やっぱレプリカ度は高いし、高級感もありますです、ハイ。

ファイナルプレゼンテーション

さて、アビレックスとエアロレザーのB-3についていろいろ書いてきましたが、皆さんどっちが気に入りました?えっ、「もうちょっとリポートせよっ!」って。ヘイヘイ、ではファイナルプレゼンテーションです。

どちらもシープスキンを使ってるので保温・防寒機能は大差ありません。まぁどっちも日本それも東京あたりだったら、真冬でも必要十分な保温・防寒機能を提供してくれます。(ただ東北や北海道、そのあたりでも特に寒いところではどうなんでしょう・・・拙者、是非お話を聞いてみたいです)
重さについても目立って違うっちゅうことはありません。若干エアロレザーの方が重いかとも思いますが(ホースハイドパーツを使ってるので当然か・・・)、拙者は実際に着用して明確な差を感じ取ることはなかったです。

ただ、重さを別にした着用感には若干の差がありました。それは、ジャケットの硬さの違いからくる動き易さです。アビレックスのB-3はホースハイドの袖カバー(プロテクター)が無い分、柔らかいというか、動き易いというか、着てすぐに身体に馴染みます。方やエアロレザーのB-3はホースハイド(馬革)の袖カバー(プロテクター)がある分、若干腕が突っ張るっちゅうか、動きづらいちゅうか・・・。ただ、エアロレザーのものは新品だったため、特にそう感じたのかもしれません。ちょっと着込みゃぁすぐに馴染むのかもしれませんが。

あとね〜、拙者のとっても個人的な感想なんですが、アビレックスのB-3はそのボディの表面処理の特徴からか、キズがあんまり目立たんのです、これが。だから拙者は雑に着ちゃおうって気になるんですね。その点、エアロレザーのB-3はレプリカ度満点で高級感もあるんですが、若干キズが目立ちやすい。ですから、その〜、拙者は大切に着なきゃ〜などと思ってしまいます。

今夜のご注文はどっち!?

さて、では最後に。

国産、英国madeのモノと比べても決して高くない(実際はかなり安い?)値段で購入できるアビレックスのB-3、ゴチャゴチャと装飾の激しい他のアビレックス製ジャケットに比べれば、とってもシンプル且つ実用的です。機能的には全くモーマンタイ。ザッパな仕上げでもめっちゃタフなのは、月刊タフジャケvol.7で紹介したB-6と同様です。

一方、戦う男の飛行服たるオリジナルに忠実でありながら、高級感さえ漂うエアロレザーのB-3。機能的には勿論モーマンタイ2です。スコットランドの職人気質に裏打ちされたクオリティは、日本でも人気の各種ホースハイドジャケットで実証済みです。

いかがでしたか、今回の米国vs英国のB-3比較。
さぁ、今夜のご注文はどっち??
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